GoogleによるYouTube買収(1)

少し時間があったので、GoogleによるYouTube買収のプレスリリースを訳してみた。

概ね日本でも報道されている通りの内容ではあるが、こういう大きなトピックでは、当事者から発表される一次情報に結構ヒントが隠れていることがしばしばある。実際、読んでみると今回もいくつかのことが見えてきた(これは別のエントリで整理する)。

あとこちらでは投資家向けのインタビューの様子を聞くことができる。さすがに英語のテープ起こしをしている時間はないが、いずれ余裕のある時に要約でもお伝えしよう。

簡単な英語なのでそう大きな間違いはないと思うが、なにぶん休憩中に手を動かした程度のラフな翻訳でもあり、「ここは違うのでは?」というご指摘は大歓迎である。おそらく感覚レベルの機微も重要な要素になってくると思われるので。


Google To Acquire YouTube for $1.65 Billion in Stock

GoogleYouTubeを16.5億ドルの株式交換で買収へ
−両者の合体が新しいサービスをユーザとコンテンツホルダーに提供−

【2006年10月9日、カリフォルニア州マウンテンビュー】Googleは本日、YouTubeの買収交渉が合意に達したことを発表しました。YouTubeは、Webを通じてユーザにビデオ視聴やコンテンツ共有のサービスを提供している企業です。Googleによる同社の買収金額は16.5億ドル、買収方法は株式交換方式で行われます。買収後もYouTubeはサービス運用を独自に行い、その成功したブランドとユーザへの情熱を維持し続けることになります。

今回の買収は、急成長・急拡大を遂げたYouTubeのオンライン・ビデオ・エンターテインメントのコミュニティと、Googleが持つ情報の体系化や新しい広告モデルのノウハウとの統合をもたらします。両者は今後、ビデオのアップロード、視聴、共有等に関する、優れた包括的なサービスの提供に注力します。また同時に、またコンテンツホルダーがより多くの視聴者にコンテンツを配信するための新しい事業機会を提供することになるでしょう。

YouTubeのチームは、活発かつ強力なメディア・プラットフォームを作り上げました。それは、「世界中の情報を体系化し、便利にアクセスできるようにする」というGoogleのミッションを補完するものです。両者は、いつでもユーザを優先し、またユーザの「経験」をさらに拡大するために技術開発を続ける、という同じ価値観を共有しています。私たちはこれから、ユーザ、コンテンツホルダー、広告主が注目せずにはいられない、そんなメディア・エンターテインメント・サービスの提供を目指していきます。」(エリック・シュミットGoogle社CEO)

YouTubeというコミュニティは、「映像クリップ文化」とも言うべき新しいメディア利用の転換と創造に重要な役割を果たして来ました。Googleとの協力により私たちは、サービスの世界展開と、より包括的なエンターテインメント経験をユーザに届け、またパートナーに新しい事業機会を提供するための技術的なリーダーシップを得ることになります。私は、今回の提携に自信を持っています。私たちは、世界中へのメディア提供に関する次世代プラットフォームの構築という私たちの目標達成に必要な、柔軟性と資源を得ることができるでしょう。」(チャド・ハーレイ−YouTube社CEO/共同創設者)

買収完了後も、YouTubeはその類い希なるブランドを維持します。またそれは、Googleのビデオ事業の迅速な成長を力強く補完するでしょう。YouTubeはこれまでと同様、カリフォルニア州サンブルーノに本拠地を構え、スタッフはそのまま継続して事業にあたります。Googleが有する技術、広告事業のノウハウ、そして世界的なリーチを活かし、YouTubeは世界で最もポピュラーなビデオ・エンターテインメントサービスとして成功した地位を、今後も継続していくでしょう。